勤怠管理に関わる労働法の基礎知識
36協定の上限規制、勤務間インターバル、14連勤の禁止(改正の動き)、年5日義務、割増賃金、記録の保存期間——勤怠担当者が知っておくべき法律の要点。
勤怠管理の実務でよく問題になる労働法の要点を、制度ごとにまとめました。このページは一般的な制度の解説であり、個別の状況への法的助言ではありません。個別のご相談は顧問社労士へ。最新の施行状況は厚生労働省のサイトでご確認ください。
法定労働時間と36協定
- 法定労働時間は1日8時間・週40時間(労働基準法32条)。これを超えて働かせるには、労使で36協定を結び、労働基準監督署へ届け出る必要があります。届出のない残業は違法です。
- 時間外労働の上限(2019年施行の上限規制): 原則月45時間・年360時間。特別条項付きでも年720時間以内・月100時間未満(休日労働含む)・2〜6ヶ月平均80時間以内、月45時間を超えられるのは年6回まで。
- 違反には罰則(6ヶ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金)があります。
- Bekito勤怠は、日々の実績からペースで予測し「このペースだと◯日に45時間へ到達」と超える前に警告します(36協定と法令モニター)。
勤務間インターバル
- 終業から翌日の始業まで一定の休息時間(11時間が目安)を確保する制度。現在は労働時間等設定改善法上の努力義務ですが、導入企業への助成金があり、義務化に向けた法改正の議論が進んでいます(労働基準関係法制研究会 報告書・2025年)。
- 夜勤明け→早番のような組み方が典型的な違反パターンです。Bekito勤怠はシフトの公開前にインターバル不足を警告します。
連続勤務(14連勤の禁止へ)
- 現行法では、週1回の法定休日(または4週4休)があれば、休日のとり方によって最長48日間の連続勤務が理論上可能という問題が指摘されてきました。
- これを受けて、連続勤務を13日までに制限(=14連勤の禁止)する労働基準法改正が予定されています(2025年の研究会報告を受けた改正の動き。施行時期は最新情報をご確認ください)。
- Bekito勤怠は勤怠を日単位のイベントで持つ設計のため、連続勤務のチェックを最初から実装しています。14連勤となるシフトの下書きは公開をブロックします。
年次有給休暇
- 年10日以上付与される労働者には、年5日を確実に取得させる義務があります(労基法39条7項・2019年〜)。違反は労働者1人あたり30万円以下の罰金。
- パート・アルバイトにも週の所定労働日数に応じた比例付与があります。週1日勤務でも対象です。
- 繰越は2年。半休・時間単位年休(労使協定で年5日分まで)も認められます(時間単位分は年5日義務にカウントされません)。
- 詳細は年次有給休暇の管理へ。
割増賃金
- 時間外25%以上、深夜(22時〜5時)25%以上、法定休日35%以上。時間外+深夜は50%以上。
- 月60時間を超える時間外は50%以上(2023年4月から中小企業にも適用)。
- 管理監督者にも深夜割増は必要です(労働時間規制の適用除外は深夜業には及びません)。
- 打刻の切り捨て(15分単位など)は、労働者に不利な運用だと賃金全額払いの原則(労基法24条)違反のおそれがあります。1ヶ月の合計に対する30分未満切捨て・30分以上切上げは通達で認められています。Bekito勤怠はリスクのある設定に警告を表示します。
労働時間の客観的把握
- 労働安全衛生法66条の8の3(2019年〜)により、管理監督者・裁量労働制を含む全労働者の労働時間を客観的な方法で把握する義務があります。自己申告のみの管理は原則認められません。
- 月80時間超の時間外・休日労働をした労働者から申出があれば、医師の面接指導が必要です。
- Bekito勤怠のすべての打刻には「いつ・どの方式で記録されたか」のメタデータが付き、この義務に対応します。
記録の保存
- 出勤簿・賃金台帳・労働者名簿(法定三帳簿)などの労働関係書類の保存期間は5年(当面の間は3年の経過措置)。
- Bekito勤怠は5年保存に標準対応し、監査パックでワンクリック出力できます。
最近の・今後の主な改正の動き
- 2023年4月: 月60時間超の50%割増が中小企業にも適用
- 2024年4月: 労働条件明示ルールの改正(就業場所・業務の変更範囲の明示など)
- 2025年4月・10月: 育児・介護休業法の改正(柔軟な働き方の措置義務など)
- 予定: 連続勤務13日制限(14連勤禁止)、勤務間インターバルの強化、割増計算の基礎となる賃金の見直しなど、労働基準関係法制研究会の報告(2025年1月)を受けた労基法改正が進行中です。
- Bekito勤怠は日単位のイベント設計のため、こうした日単位の規制強化には設定の追加で追随できます。締めた月は当時のルールごと凍結されるので、改正をまたいでも過去の計算を再現できます。
よくある誤解
- 「うちは小さいから36協定は不要」→ 従業員1人でも残業させるなら必要です。
- 「固定残業代を払っていれば管理は不要」→ 固定残業代でも実労働時間の把握と超過分の精算は必要です。
- 「管理職には残業代がいらない」→ 労基法上の管理監督者は限定的な概念で、店長=管理監督者とは限りません(いわゆる「名ばかり管理職」問題)。深夜割増は管理監督者にも必要です。
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